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「あーあ、またご飯抜きなのかー」
どうやら、相当空腹だったらしい。
仕方が無いので飴を取り出して渡す。
「これでも良かったらどうぞ」
少女は暫く見つめると、パクッと口に……。
「ちょっとまてゐ!包装紙は取りなさい!?」
「包み紙?」
「そう」
包みを外して今度こそ口に含んだ。
「甘い」
「だろうね」
幸せそうに微笑む少女を見て私も少し笑みを零す。
「ところで、名前は何て言うの?」
「ルーミアだよー。貴女は?」
「私はミカゲ。よろしく」
互いの名前も知れた所で、本題を切り出す。
「良かったら、人が住んでいる場所まで案内してくれないかな?」
「迷ったのー?」
「そうとも言う、暗くなって見通せなくなってしまったしな」
「人里へは行けないから神社でいーよね?」
「ああ、かまわない。でもどうして人里へは行けないんだ?」
「え?私が妖怪だからだよー?」
「……妖怪?」
「そーなのだー」
現代では幻想とされていた存在が、普通に目の前に居りましたとさ。
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