①幻想入り

5/11
前へ
/11ページ
次へ
そうしてこうして、私とルーミアは神社へと向かっていた訳なのだが……。 目の前には長い長い階段が伸びていた。 「長くないか?」 「そーでもないよー、私飛べるし」 「なんという」 まあ、愚痴を言っていても進まないので、登るのだが。 「ミカゲ、飛べたりしないの?」 「ああ、飛べるよ?」 「……飛べばいいじゃん」 「飛ばない人はただの人なのさ」 「……そーなのかー」 一段ずつ登るのに飽きたので、1段飛ばしで登って行く。 そして、2段飛ばし、3段飛ばし、4段5段、6、7、8段……。 足に影を纏わせて脚力を上げているので、私は軽快に階段を飛ばしつつ登って行く。 「それって、飛ぶのと対して変わらないような気が……」 「跳ぶほうが好きなのさ!」 大分階段の終わりに近づいて来た。 よし、一気に跳ぼうかな。 「それじゃあ頂上の鳥居の下で待ってるからねぇぇーー……。」 《大跳躍☆》 足のバネと勢いを最大限に活用して跳んだ。 肌に風が心地よい。 「いきなり早いよー」 そうして、ルーミアが追い付く。 さて、人を呼ばなくてはならないが……、これからの私の無事を祈願して賽銭でも入れて置こう。 財布を取り出して見てみると、丁度細かいお金を切らしていた。 まあ、500円玉で良いか……。 そうして、賽銭箱へと500円玉を放り、手を合わせ……。 「お賽銭!?!?」 目をときめかせた寝間着の女の子が現れたとさ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加