①幻想入り

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目が覚めると、見知らぬ天井だった。 此処は誰!? 私は何処!? ……落ち着け私。 そう言えば、神社に泊めて貰ったんだっけ。 布団を畳み部屋を出ると、丁度レイムも隣の部屋から出てきた。 「あら、おはよう。朝ご飯作るから、少し待ってて」 「何か手伝う事は無いか?」 せめて、一宿一飯の恩義は返しておきたい。 「それじゃあ、境内を掃き清めてくれる?」 「了解」 私は納屋から箒を持って来ると、早速取りかかった。 風が強く無かったので、直ぐに落ち葉は集まった。 集めた落ち葉は神社の周りの森の土に返した。 「ミカゲ!朝ご飯できたわよ!」 良いタイミングで、朝ご飯も出来たみたいだ。 「「「いただきます」」」 白いご飯に味噌汁、漬け物、山菜のお浸し、そして焼き魚。 和食の定番。 「うぉ!ご飯が豪勢だ!」 隣で、昨日は見なかった少女がはしゃいでいる。 頭から2本の角を生やした、とても個性的な子だ。 挨拶はしておいた方が良いだろうな。 「昨日の夜に泊めて貰った、ミカゲだ。よろしく」 「私はスイカ。よろしく頼むよ」 気を取り直してご飯を口に運ぶ。 「貴女、彼女は仮にも鬼よ?落ち着き過ぎじゃない?」 「まあ、良いじゃないか」 私は焼き魚とご飯を一緒に噛みしめた。 ……美味しい。
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