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「「ご馳走様でした」」
「はい、お粗末様でした」
食事も終わった所で、私はレイムに聞いた。
「ところで、此処は何処なんだ?」
「え?」
「此処の地名とか」
レイムは今更か、と言うような目つきでこちらを見ていた。
「貴女、外来人?」
「いや、ここは日本だろう?」
「いいえ。此処は幻想郷、外の世界で幻想となったものが流れ着く場所よ」
何となくわかってしまった。
此処は私の居た世界とは違う事を。
そう言われれば、妖怪とか鬼とかは見たことがなかったな。
今更ながら驚きだ。
何故なら、明らかに普通の少女だったから。
「貴女はどうやって此処に来たの?」
「夕日に見蕩れてたら、スキマみたいな穴に落ちて」
「犯人はスキマ妖怪ね」
レイムは少し考えるると私に向き直る。
「貴女は元の世界に帰りたい?」
どうだろうか?
私はこの幻想郷で何か面白い事が待っている気がしてならない。
ルーミアやスイカ以外の人外?にも会ってみたい。
豊かな自然を堪能したい。
帰るなら、せめてこの世界をもっと見て回ってからが良い。
「私は、まだ帰りたくは無い」
はっきりと意志を伝える。
「そう、それじゃあ改めて……、「幻想郷にようこそ!」」
私の幻想郷での生活が始まったのだった。
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