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『なんで、お父さんの言うこと聞けないの』
『あんたが、悪いのよ』
『あんたさえ、いなければ……』
『ねぇ…お母さん…お母さんは…僕が嫌いなの……?』
『僕が居るとダメ…なの…』
『泣かないで…泣かないでよ…お母さん…
僕が居ると…お母さんは泣いちゃうんだね』
『僕、居なくなるから…だから…泣かないで…』
朝日が差し込むベッドの上で、少年はゆっくりと目を開けた。
その瞳はうっすらと涙で濡れている。
夢!!
……
……
また…あの夢だ…
忘れなきゃ…それより早く学校行く仕度しなくっちゃ
七海は相変わらず、学校では一人で居る事が多かったが、学校に行く事が楽しかった。
向日葵とメールをやるようになって、早一ヶ月、毎日、欠かさずメールをしている。
お互い、今の関係を楽しんでいた。一度、向日葵から『会わない?』と、言われたが、柊はいまの関係を壊したくなかった。皆の様に普通の関係も魅力があるが、自然の自分でいられる、今の関係を大切にしたかったし、秘密めいた現状を楽しんでもいた。
昼休み、七海はある場所に向かう。
学校の裏に植樹されている、イチョウの木下が七海のお気に入りの場所である。
さってと…ご飯食べよっと
今日のメニューは売店で買った、コロッケパンにイチゴオレ
食事をして、少し経った頃、誰かの声がした。
『熱いなー戻ろうぜ俊!』
『着いて来なくてもいいって、』
声のする方を見て見ると二人の生徒が近づいてくる…
あっ!
先に歩いていた一人が七海に気付いた。
『先客がいたかぁ』
『…あれ?』
声を出した方が、七海の前まで来ると、七海を見下ろしている。
… … 何で見てるんだろ??
勇気をだして話しかけてみた
(七海)「な、何?」
(俊)「キミ、こないだの奴じゃん」
(七海)「えっ!」
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