あの人恋唄

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    チリンチリン…       誰が吊したのか。 縁側で風鈴が涼しげな音色を奏でている。       土方は仕事の手を止め、ふと音のする方へと視線を向けた。       今年も京都に暑い夏が来る。       「トシ。そろそろ準備は出来たか?」     「かっちゃ…いや、局長。ああ。あらかた終わった。」     低く、良く通る声に土方が振り返ると、そこには優しげに目を細める一つ年上の幼なじみの姿。   一一近藤 勇。 彼は土方が命を懸ける事を誓った幼なじみだ。  
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