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「ふ~ん。」 長々と組長まで教えてくれたが…、あたしの頭にはある人物の名前が引っ掛かっていた  土方、歳三─‥  この名前を聞いたとき、少しだけ…ほんの少しだけ胸の内が騒いだ様な気がした なぜだろう、とぼーっとしていると繭がまた語りかけてくる  「でな、新撰組がその時住んでたところがまだこの京都に残ってるらしいねん!」 繭は目を輝かせる 繭はこの京都に移り住んで来で2年は経っているが、あまり京都の町をうろうろした事はない 「そうなんだ…、確かに壬生寺の近くにあったような…」 あたしは余り詳しくないがそう言うと、繭は何か閃いた様であたしの目をじっと見てくる  「じゃあせっかくやし今から、行ってみよや!案内、よろしくなぁ?」 …今思えばこの一言が、あたしのあなたを更に引き付けたのかもしれない
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