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欲に目がくらんだ俺のせいか・・・
「おいキルフォード・・・生きてるか?」
「なんとかな・・・」
うつぶせのままキルフォードが答える。
「しかしまあ、よく生きてたよな」
そう言って俺は横にある巨大な岩を見やった。あのときなんとか横道に行き当たり、なんとか逃げ切ったのだ。
「もう一生分、走った・・・」
キルフォードが実直な感想をもらした。
それからしばらく俺たちは押し黙った。
「この遺跡どう思う?」
「さてな、少なくとも生活するような場所じゃないことは確かだ・・・」
古代の人間がなぜこの遺跡を造ったのか、遺跡だって化石ではないので、なにかしら用途があったはずである。こんな危なっかしいセキュリティー・トラップを仕込んであるくらいだから、当然何かを隠すだめに造られたと考えるのが自然だ。つまり・・・
「おきろキルフォード、起きろ」
「なんだよ・・・」
揺さぶってみるが、キルフォードはうつぶせのままである。
「こんだけでかい罠が仕掛けられてあるくらいだから!」
「お宝が近いってことか!」
そして、キルフォードは立ち上がる。
・・・まだ元気じゃん。
「よしシャロー!さっさと行くぞ!」
「おお!そうこなくっちゃな!」
『お宝!お宝!お宝ぁぁ!』
口をそろえながら俺とキルフォードは一気に駆けだした。
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