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「しょうがねえ・・・」 俺はやおら呪文を唱えた。間違ってもこんやつらに自分の剣を使う気にはなれないし、ゾンビは元が死体なだけに普通に戦えばなかなか倒れない。 「不浄なる魂よ土に還れ!聖火葬!」 金色の炎がゾンビたちの体から発火する。ただの炎ではない、不浄を焼き尽くす浄化の炎だ。もともと死んでいるゾンビには痛みや熱さはわからないだろう、ゾンビたちは体を焼かれながらもこちらに近づいてくる。 「死体は土に還りな!」 俺は気合いを込めた。金色の炎は一気に燃え広がる。ゾンビたちの体が消滅した。そして輝く粒子が散る、浄化された魂のかけらだ。 「あっけなかったな・・・」 俺はまだ残る、光る粒子を見上げた。 「さ、いこうぜ」 「おお」 俺が返事をするより早くキルフォードはさっさと進みだす。俺もキルフォードの後に続いた。
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