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「財宝最後の番人か・・・」 俺の軽口を無視しながらキルフォードは懐からダガーを取り出す。珍しく緊張しているようだ・・・ 俺もナメてかかれないな。 「明かりは創れるか?」 俺は振り向きもせず、魔術師の男に聞いた。 「あ・・・はい!」 魔術師は小さいが光の球を手に浮かべる。魔術師だけあって、思っているよりは落ち着いている。照らし出されたのは、宙に漂う白いモヤだった。白いモヤは空中で渦巻きながら、顔をかたどる。 これが遺跡の主か・・・ (我が遺産は誰にも渡さぬっ!) 声が直接頭に響く。おそらくこいつの正体は自分の遺産に固執した亡霊、死んでからもなお自分の遺産を守ってきたのだろう。 この遺跡に入ってから、ずっと不自然だった。古い遺跡のはずなのに罠が全て作動する。機械人形が動く。こいつの仕業か。 「けっ、死人がっ!金銀財宝なんてのはな、生きている人間が使ってこそ価値があるんだよ!」 (黙れっ!) 亡霊の叫びとともに、まるて突風が吹いたように圧力がかかる。 「うわぁぁぁ!」 情けない悲鳴を上げたのは、調査隊の魔術師だ。 「に、逃げましょう!勝ち目がありませんよ!」 「大丈夫だ」 キルフォードが振り向きもせず答える 「こういう場面に俺たちゃ慣れてる」 (逃がしはせぬ!) ゴォガガガァァァン! 横の壁をぶち壊し十何体かの機械人形が現れた。おそらく、さっきキルフォードの言った左の扉を開くとこいつらと対面していたのだろう。 (キリングドールには手こずっただろう) 機械人形は見積もって十体以上いる。 「そう見えたか?」 「シャロー!俺で充分だ・・・」 そう言ったキルフォードは機械人形の前に進みでる。
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