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突如、空中に現れた俺の意のままに動く光の剣に亡霊は対応できなかったのだろう。さすがにこれは効いたらしく、亡霊は空中で静止する。 「これじゃ終わんねぇ!ゾンビにされて死ぬこともできなかった奴らの借りがある!」 (ゾンビどもだと・・・?) 亡霊の嘲りの混ざった哄笑が辺りに響く。 (あんな奴らのために戦っていたのか?) 「どういう意味だ?」 (奴らは私を裏切った) 亡霊は笑いを交え答える。 「何を裏切ったって」 さらに問いを重ねる。 (千年前・・・ダークハーフとして生まれた私に王家は財宝の管理場の建設を命じた。強力な私の魔力に目をつけてな・・・) ダークハーフ・・・? 「まだ話が見えねぇ」 亡霊は淡々と語り始めた。 (私は喜んで、その話を引き受けた。ダークハーフが貢献することで、偏見の目が少しでも軽くなるのではないかと、そう思った) 亡霊はただ淡々と語る。 (この遺跡が完成した直撃、私は殺された。歴史から抹消するために。奴らは私を道具とでも思っていたのだろう。ダークハーフの力を借りたという事実を消したかったのだ) 俺は黙って、亡霊の話を聞いていた。 (私の思いは死ななかった、こんな姿でも怒りを忘れなかった) 「じゃあ、あのゾンビは?」 (私を殺した連中だ) 亡霊は平然と答える。 「ここにある財宝やレガシーは王家の連中の物なんだろ。なんでそんなに執着するんだ?」 (王家の連中の財宝など私の知ったことではない。あの中には私のお前たちがレガシーと呼ぶ財宝も混じっているんだ、奴らは私の強大な力を持つマジックアイテムを所持したかったのだろう。奴らは自分の欲望を満たすためなら、いくらでも残酷になれる) 亡霊の口調が次第に強まる。 (貴様に私の気持ちがわかるか?生まれながらにして闇の眷族としてさげずまれてきた、私の気持ちなど・・・私に罪はあるか?) 「テメーの気持ちならわかる・・・」 (何?) 亡霊は聞き返す。 「俺もダークハーフだからな」 先程まで饒舌に語っていた亡霊が沈黙する。
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