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「目の前の出来事にたいして現実逃避するのは簡単だ。しかしだな・・・」
「おい、シャロー・・・」
キルフォードが、俺の話に口を挟む。
「なんだよ」
「じゃあテメーはどうする気だ? そこまで言うからには、なにか考えでもあるんだろ?」
「うむ!俺の婆さんが言ってた通りに、日頃から神にたいする感謝の気持ちを、絶やさないでいれば・・・」
「しっかりテメー現実逃避してるじゃねぇか!」
キルフォードは立ち上がる。
「ったく、さっきからいやに冷静だなと思ってりゃ・・・」
その後もキルフォードはぶつくさ言いながらかぶりを振る。
さて、ここらで自己紹介しておこうか。
俺の名はシャロー。家名はない。容貌は金髪の目つきの悪い青年だと思えばいい。年齢は十八。職業は何でも屋。つまり傭兵。金しだいでどんな危険なこともする。どんなことでもと言うと聞こえが悪いので言っておくが、俺が引き受けるのはあくまで合法的な仕事だけ。野盗退治に魔物狩りに護衛と、なんでもござれだ。ただし・・・お値段は相場より少し高めである。だが、そのぶんちゃんと仕事の結果でお釣りがでるので、そこんとこよろしく。
さてと。まず、なぜ俺たちがこんな辺鄙な所にいるのかということを説明しなければならない。俺だって別にこんな場所でバカ(キルフォード)と漫才やっているわけではなく、れっきとした仕事をしている。
仕事の内容はいたって簡単だ。なんでもこの遺跡を調べるために送られた王族直属の調査隊が、道にでも迷ったのか帰還予定日をすぎても調査から帰らず、連絡がとれない状態になってしまったのだ。そこで俺たちに調査隊の救出を依頼してきたわけだ。
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