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「で、結局。レガシーには手を出さなかったのね」
「まあな」
結局、俺たちは財宝に手を出さなかった。亡霊の遺産は調査隊の魔術師の黙秘のもと焼き払った。
あとはセイドベルクの者が再び調査隊を編成して財宝を回収した。
リリィが冷たい目でこちらを見据える。
死んでまで力を利用されたら浮かばれないよな。
「無事に戻ってきたんだ。それだけでいいじゃないか」
そう言ったのはライドだった。
あれから三日間ほど立っている調査隊の魔術師が作った地図を頼りに脱出したのだ。
「そうかもしんないけど・・・」
リリィまだ言い募る。
「いつになったら、あんたの借金消えるのかしらね」
「ほっとけ」
もとはと言えばお前が持ってきた話だろ。
だが目の前に運ばれてきたご馳走を見ると、どうでもいいやと思った。
「それじゃあ、仕事の成功を祝して」
キルフォードがなみなみ酒のつがれたグラスをかかげる。
「乾杯」
俺とキルフォードは軽くグラスを打ち合わせた。
END
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