18人が本棚に入れています
本棚に追加
その場を離れてしばらく進んだ所だった。カチリッ……妙な音が聞こえたのは。
「なぁキルフォード……俺なんかすっげー嫌な予感するんだけど……」
「気のせいだろ……」
微かに地面が揺れる。
「絶対気のせいじゃないと思うが……」
「空気読め。気づかないふりしてるんだから」
ギギィィィ……歯車と歯車と絡み合うような音が辺りに響く。
気のせいではなかったようだ。
「可能性としては三つくらいある……」
「聞きたくない」
「この狭い廊下の壁が押し寄せてくる」
「聞きたくないって……」
ギギィィ……だんだんと軋む音は大きくなる。
「この床自体が崩れ落ちる」
「だから聞きたくないってば」
ギィギィギィ……ガヂャン! 最後に一際大きな音が鳴りそのあとやむ。
「そして最後、オーソドックスに……」
「オーソドックスに何だ?」
「オーソドックスに・・・」
ゴゴゴゴゴ・・・何かが転がる音が今度は聞こえてきた。
「岩がこちらに向かって転がってくる!」
ズゴゴゴゴ! 俺たちは同時に振り向く。
『ビンゴォォッっ!』
俺とキルフォードの声がハモった。そして言うか言わないかのうちに駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!