オープニング

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その場を離れてしばらく進んだ所だった。カチリッ……妙な音が聞こえたのは。 「なぁキルフォード……俺なんかすっげー嫌な予感するんだけど……」 「気のせいだろ……」 微かに地面が揺れる。 「絶対気のせいじゃないと思うが……」 「空気読め。気づかないふりしてるんだから」  ギギィィィ……歯車と歯車と絡み合うような音が辺りに響く。 気のせいではなかったようだ。 「可能性としては三つくらいある……」 「聞きたくない」 「この狭い廊下の壁が押し寄せてくる」 「聞きたくないって……」 ギギィィ……だんだんと軋む音は大きくなる。 「この床自体が崩れ落ちる」 「だから聞きたくないってば」 ギィギィギィ……ガヂャン! 最後に一際大きな音が鳴りそのあとやむ。 「そして最後、オーソドックスに……」 「オーソドックスに何だ?」 「オーソドックスに・・・」 ゴゴゴゴゴ・・・何かが転がる音が今度は聞こえてきた。 「岩がこちらに向かって転がってくる!」 ズゴゴゴゴ! 俺たちは同時に振り向く。 『ビンゴォォッっ!』 俺とキルフォードの声がハモった。そして言うか言わないかのうちに駆け出した。
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