第1章 1日目・夜

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その後僕は楠木さんに連れられて、風呂場に行った。僕は衣服を脱衣場で脱ぎ捨てると、風呂場へと続く扉を開けた。 その瞬間、ムワッと湯けむりが僕を襲った。僕はそのまま浴槽の近くまで行き、お湯を軽く身体に浴びさせてから湯に浸かった。 広い風呂場だった。どこかの温泉かと見違えるぐらいの広さがある。周囲は青いタイルが張られた壁に囲まれており、窓は少し高い所に一つあるだけだ。 冷えていた身体が、段々温まっていくのが分かる。僕は肩まで熱い湯に浸かると、両手で湯を掬い顔に何回かかけた。 ……ほんの数時間前までは、まさかこんな広い風呂に入ることになるとは考えてもみなかった。偶然、この館を発見することがなかったら、恐らく僕はあのままあの昼間でも暗い森で遭難していたことだろう。そう考えると、ゾッとした。
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