ぬいぐるみの王様

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ライオン王は、しばらく静寂を楽しんだ後、自分の玉座に腰を下ろした。 玉座は、ぬいぐるみ達が集まっていたところから少々離れている。 それが分かっていたぬいぐるみ達は、ライオン王が座るのを見届けてから、ため息を吐いた。 「…全く。何が余は…だよ。偉そうな口ばかり利いてさ。」 「王様だとか言ってるけどさ、作られた私達が王様だの、なんだのって言えるわけないじゃないんだよね。」 「チョー迷惑。 これだから、口うるさいじじいは…。」 あちこちから不満の声が噴き上がった。 「ちょっといつまで、こんなことしていればいいわけ?キリンさん。」 「もう少し我慢してくれよ。あのじじいの寿命…いや、ぬいぐるみだから使用期限ももうすぐだからな。」 オオッ!! と、どよめきがあがる。ぬいぐるみ達のリーダーはキリンであり、棄てられてやって来た、ライオン王など、歯牙にもかけていなかった。
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