26人が本棚に入れています
本棚に追加
ライオン王は、しばらく静寂を楽しんだ後、自分の玉座に腰を下ろした。
玉座は、ぬいぐるみ達が集まっていたところから少々離れている。
それが分かっていたぬいぐるみ達は、ライオン王が座るのを見届けてから、ため息を吐いた。
「…全く。何が余は…だよ。偉そうな口ばかり利いてさ。」
「王様だとか言ってるけどさ、作られた私達が王様だの、なんだのって言えるわけないじゃないんだよね。」
「チョー迷惑。
これだから、口うるさいじじいは…。」
あちこちから不満の声が噴き上がった。
「ちょっといつまで、こんなことしていればいいわけ?キリンさん。」
「もう少し我慢してくれよ。あのじじいの寿命…いや、ぬいぐるみだから使用期限ももうすぐだからな。」
オオッ!!
と、どよめきがあがる。ぬいぐるみ達のリーダーはキリンであり、棄てられてやって来た、ライオン王など、歯牙にもかけていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!