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「おめでとう。」
「ありがとう。」
鏡を写したようにそっくりな2人は…一卵性双生児。いつも仲が良くて、何をするにも一緒。食べ物や、服の好みも一緒。
顔も体型ももちろん一緒。ほくろの数さえ一緒だった。
だが、今日は一緒にならない。片方が先に花嫁になってしまうから。
白無垢の輝くばかりの白さがもう片方には、眩く見える。
もう片方は、黒留め袖。本当なら、留め袖は、既婚者が着るものだ。それなのに、彼女が選んだのは、黒留め袖だった。
「すみません。私達だけにしてもらえませんか?」
式場の人は、気を利かせて2人だけにした。
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