紅茶の宝箱

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アッサム・ダージリン・ニルギリ…紅茶の名前は、たくさんあるけど、私はアールグレイが好き。 アールグレイの香りが部屋を満たす。 その至福。まるでルビーや、サファイアなどの宝石を入れた宝箱みたいで、いついつまでも浸っていたくなる。 けれどこの気持ちが長く続くことはない。 私が浸っていることに気づかない人間が多すぎて、すぐに部屋の扉を開けてしまう。 再び、扉が閉まり、アールグレイの香りが部屋いっぱいに満たされるまでの、空白の時間が永遠に思えてくる。
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