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一人の少年はひょいひょい身軽に登っていくが、もう一人の少年は木登りが苦手なのか、それとも高い所が苦手なのか、足をふるわしながら必死に身軽な少年の後を追っていく。
「…駄目だ。それ以上は…」
これは俺だ。自然と声が出たのだ。俺はこの先の展開を、知っているような気がしたから。
「しょうがねぇな、手伝ってやるよ。ホラ」
身軽な少年は少し上から怯えている少年に手を伸ばす。
それに応える、怯えている少年。
俺の頭の中で警鐘が鳴り響く。
「…駄目だ。駄目だダメだだめだ駄目だ!」
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