またぐ

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またぐ

昨日と今日をまたぐ。 瞼の裏側チカチカ点滅する青いひかり 遮光カーテンの隙間からは夜明け前の色。沈黙カラー。 午前二時五十分。 冷たい腕。湿った風。血の温度だけが上がってく。 クリーム色の壁紙は夜色にやわらかく馴染んで、とても安全そうに見えた。 犬の夜泣き。サイレン。耳鳴り。 完全な眠りと完璧な無音で完結した夜は何処。 月も星も本当は少しも欲しくなくて、薄暗い人工的な夜をいつも待ってる。 起きないで。まだ寝てて。明るく成らないで。始らないで。黙っていて。おはようなんて、かなしいよ。 そしてほら、ぼくはまた境界線を見失う。
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