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夕暮れ
大体いつも僕は深爪で、君はそれが気に入らない。
オレンジ色の水。
米櫃の亀が小石を砕くみたいに、切って噛んで剥したら、右の瞼にチック、チック、チック。
茜色の硝子。
ヒステリックに君が泣くから子犬が壁を舐めた。
金色の腰骨。
秒針の音が怖い僕の部屋にはデジタルの時計しかなくて、瞬きして零れて欲しい液体は冬の病葉みたいにかさかさ睫毛にくっついた。
とっくの昔に忘れた筈の煙草の煙が頼りなく揺れるから、玉葱の匂いが恋しく成って僕も少し泣いた。
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