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24時間 手放さずに持ち歩いてた
この携帯も いらなくなるね
何を必死に守ってきたんだろう
ただ 独りになるのが怖くて 子どものように 怯えてた私
ママは言った
『全部自分で選んできた道でしょ』
そう。だから今度は後悔なんてしないように
ありったけの服を詰め込んで この街を出て行くよ
携帯は おなかを空かせて待っている
『早くおなかいっぱいにして 君のポッケに入れてくれ』
だけど一緒に行くわけにはいかないんだ
ごめんね
サヨナラ この街
サヨナラ 君
沢山の思い出が頭を駆け巡って 涙が溢れた
サヨナラ この街
サヨナラ 私
生まれ変われるなら もう一度あの人に出会いたい
殺風景な私の部屋
机の隅に 携帯置いて バイバイと手を振った
独り、歩き始めた道は 思ったより冷たくない
『どこいくの?』
通り過ぎた風に苦笑いして 歩調を速めた
この際 海外にでも行ってみるかな?
ノー! パスポートが期限切れ
やっぱり私には 隣町までが精一杯
サヨナラ 君
サヨナラ 私
今頃、私の部屋の片隅で 携帯も生き絶えようとしているだろう
それでいいんだ
これでいいんだ
サヨナラ 皆
サヨナラ…ワタシ
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