3淋しいから

4/6

137人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
どんな女でも、感じてる時に見せる顔は何だかキレイに見えて、そのときだけオレは女という生き物に愛しさを感じる。 だから――――― 「愛してるよ」 耳元で、甘くささやいた。 普通なら、ここでオレの首に腕を回してくるんだ。 でも、里緒は違った。 「ッフフ」 小さくだけど、確かに笑ったんだ。 まるでバカにしたような微笑。 なぜ? そんな疑問が頭をかすめたけれど、オレはソレを無視するかのように、彼女を攻めた。 さっき笑った唇がかわかないうちに、快楽の声を上げる女。 単純じゃん、女なんて。 気持ちよければそれでいいんだろ? オレだってそうだよ。 もっと泣けよ?ってS心に火がついてた。 だから、彼女が快楽の表情の下に隠している、寂しさに気づくことはできなかったんだ。  いつも女を抱きながら思うこと、「もっとオレに感じろよ」それだけだった。 そのときだけはさ、オレだけを見ていて、オレもお前だけを見てるから。 そう、オレもただ淋しかったんだ。 だから、肌を重ねることは寂しさを紛らわす事とイコールされている。 ただ腰を振り続けた。 もっと、もっとオレに感じて? オレを欲しがって?
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加