137人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
どんな女でも、感じてる時に見せる顔は何だかキレイに見えて、そのときだけオレは女という生き物に愛しさを感じる。
だから―――――
「愛してるよ」
耳元で、甘くささやいた。
普通なら、ここでオレの首に腕を回してくるんだ。
でも、里緒は違った。
「ッフフ」
小さくだけど、確かに笑ったんだ。
まるでバカにしたような微笑。
なぜ?
そんな疑問が頭をかすめたけれど、オレはソレを無視するかのように、彼女を攻めた。
さっき笑った唇がかわかないうちに、快楽の声を上げる女。
単純じゃん、女なんて。
気持ちよければそれでいいんだろ?
オレだってそうだよ。
もっと泣けよ?ってS心に火がついてた。
だから、彼女が快楽の表情の下に隠している、寂しさに気づくことはできなかったんだ。
いつも女を抱きながら思うこと、「もっとオレに感じろよ」それだけだった。
そのときだけはさ、オレだけを見ていて、オレもお前だけを見てるから。
そう、オレもただ淋しかったんだ。
だから、肌を重ねることは寂しさを紛らわす事とイコールされている。
ただ腰を振り続けた。
もっと、もっとオレに感じて?
オレを欲しがって?
最初のコメントを投稿しよう!