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「んー、誰?」
というより、私の携帯?
こんな着歌に設定してたっけ?
上半身をベッドから起こして、携帯を探しながら、隣に嵐が眠っているのを確認した。
彼の、携帯じゃん。
「ね、電話鳴ってるよ」
どう考えても、この曲は私の携帯じゃない。
鳴り響く携帯電話、ソレを無視するかのように爆睡中の嵐。
よく、こんなにうるさいのに寝てられるよ。
と呆れながらも、嵐の体を揺さぶった。
「電話だってば!」
「んー、あ?」
あ?
じゃないでしょ、あ?じゃ!
テーブルの上でピカピカと光りを発している携帯を指差して、彼を睨むと、やっと理解したのか、バサリとベッドからはい出た嵐は寝起きとまるわかりの声で電話に出た。
「あー、瞬どした?
………そういや約束してったけ?
悪ぃ、今日はパス。めっちゃ眠い………ん。
じゃあな」
素っ気なく電話を切って、再びベッドへ戻る嵐。
あのぉ、もしもし?
ここ、私の家。
しかも、あなた今日が初めてのお客様だよね?
なぜにそんなに、馴染んでいるの?
人様のベッドへためらいもなく戻って来る彼の神経に、少し笑いがこぼれてしまった。
相当眠たいんだろうね。
やっぱり、年下の男の子はかわいい。
何をしても、許せてしまう。
恋しい人は、年上なのに、遊び相手に選ぶのはいつも年下ばかり。
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