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「あーーー、目が覚めた!
クッソ。
って、もしかして起こした?」
枕をクッション代わりにして、ベッドに座る嵐は、悔しそうに携帯を見つめた後、私を見た。
「もしかしなくても起こされた」
「悪い。オレの親友なんだけどさ、時間とか気にしないヤツだから……」
「別にいいよ」
眠れない夜なんて、今日だけじゃないんだから。
「そ?」
「うん」
「でも、オレも目が覚めた……どうせだからもっかいする?」
上目使いの男前、改め嵐。
へぇ、年下だろうけど、こんな色っぽい表情できるんだ。
なんて思いながら聞いてみた。
「ねぇ、何歳なの?」
「23歳。ってかスルーされた?」
わ、若い。
今年27歳になる私からすれば、かなりうらやましい。
でも、ちょっと23歳にしては幼いような感じもする。
「里緒は何歳?」
「女性に年齢は聞くものじゃないよ」
愛想笑いで誤魔化しながら、とりあえず喉がかわいたので、冷蔵庫へと移動。
「じゃあさ、じゃさ、彼氏とか、いないの?」
手に取ったお茶のペットボトルを落としそうになってしまった。
無邪気な顔して、普通じゃない質問をくれる嵐。
「彼氏がいたら、嵐とあんなことしないでしょ?」
「へー、真面目なんだ」
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