6気付きたくない恋心

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そう自分に言い聞かすように、何本目かのビールに手を伸ばした時、携帯 が鳴った。  液晶を見ると【嵐】 「どうかした?」 『どうかって、さっきの電話、何?』 「あー、うん。ごめんね? ちょっと淋しかっただけ、でも大丈夫だから嵐は嵐で楽しんでてね」 『……今から行くわ』 「あー、大丈夫、ホントに!」 誰でもいいはずなんだ。 だから、彼を遊びからココに来させるわけにはいかない。 嵐の都合だってある。 だけど、ホントは来て欲しい。 そして、抱きしめてもらいたい。 この寂しさから救われたかった。 『行くから』 強引にそう言って、電話を切った嵐に、やっぱりすごく嬉しく思う自分がいた。  私は、悲しみと立ち向かうことを忘れた。 いつの間にか覚えた、誰かに頼ることがあんまりにも楽で。
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