6気付きたくない恋心

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「何か今日の里緒ってすっげぇやらしぃのな」 もう、体力が限界になった頃、隣で腕枕をしながら嵐が含み笑い。 「そう?」 照れるなんてかわいいことはできなかった。 いつもいつも、私は寂しさを紛らわすために男と肌を重ねる。 そこに罪悪感が伴わないように、ちゃんと相手は選んであるよ? テキトーに女遊びしてる男。 相手もテキトーだから、感情がなくて楽なんだ。 ただ、人肌に触れていたいだけ。 部長を忘れさせてくれるくらい、激しい男ならもう最高。 それだけの条件で男を選んでたはずなのに、どうして今日は嵐だったんだろう? 嵐以外、他の男に連絡する気になれなかった。 それは、快楽の後の腕枕があまりにも心地よかったからかなあ?  やることだけやったら、すぐに帰る男だってたくさんいるのに、嵐は翌朝まで一緒に眠ってくれた。 その優しさが、また欲しくなったんだろう、きっと。  自分の中でそう言い聞かした。 部長との恋を終わらせたくなかったし、もし次に恋をするにしてもアイドルだなんて、そんなめんどくさい相手はイヤだ。 だけど、気持ちって、理性とは関係なく成長するんだね。
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