7恋の悩み

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週末の夜、オレは雑誌の仕事をしていた。 「嵐くん、もっと睨んで!」 シャッターを切る音が何度も聞こえる。 オレは笑わせられたり、睨ませられたり、色々と表情を変える。 「そ、その顔!」 もう、自分がどんな顔してるか想像もつかねぇ。  でも、早く終わりたかった。 里緒は平日は仕事だからと会ってくれないけれど、週末は絶対に会ってくれるんだ。 ここ数ヶ月で覚えた。 休みの前になると、里緒は「寂しい」とメールをくれる。 その寂しいは、オレに会いたいって意味? わからないけれど、里緒に会いに行く。 そして、彼女の体をオレで埋め尽くす。 「嵐さ、最近女でもできた?」 撮影の合間、メンバーの流星が興味もなさそうに聞いてきた。 興味ねーなら聞くなよっっ。 と思いつつも、素直に頷くオレ。 「うん」 「別にいいけどさ、写真撮られるなよ? お前、結構そういうの気にしてなさそうだから」 「別にいいじゃん、写真撮られたって。 悪いことしてるわけじゃねーし」 ただ、普通に好きな女に会って、抱いて、23歳の男なら誰だってしてることだろ? 「……お前がよくても、周りにいっぱい迷惑かかるだろ。 それに、その女も傷つくよ?」 「里緒が傷つく?」 「お前のファンに限ったわけじゃねぇけど、過激な女いっぱいいるじゃん。 それに、今までお前が遊んで来た女だって、何するかわかんねーだろ」 確かに、女って恐い。 色々な修羅場を見てきた。 ダブルブッキングをした事があったけど、これでもか?ってなくらいに罵りあっていた。  それを見て、オレは一気に二人に冷めたんだ。 里緒に、そんな思いはさせたくない。 「気を付けるよ」 オレが気を付けることで、里緒が傷つかないなら、できるよ。 「んじゃ、いいや」 ニッコリとカメラに向けるかわいい笑顔で流星は撮影に戻った。 そして、さっき見せた笑顔と同じ笑顔を今度はカメラに向けている。 そんなアイドルな流星に感心しつつも、オレはスタジオを後にした。
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