2テイクアウト

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とりあえず、嵐が風呂に入ったのを音で確認してから、私は大きくため息をついた。 「どうしよう…」 酔った勢いで連れて帰って、どうするつもりだったんだろうか?  よく飲みに行く居酒屋なんかで、お気に入りの店員さんをお持ち帰りした経験は何度かあるけど、初対面は一度もない。 これから挨拶とかして、会話する? ………。 ………。 無理があるよな。 なんか、風呂とか入ってるし、やばくない? 男と女、しかも、成人してるだろうし、やっぱヤッちゃうのかな? ま、男前だったし、いいんだけど。 「里緒ーっっっ」 考えこんでた私の思考を遮る叫びが風呂場から聞こえる。 「……何?」 曇りガラスの向こうには、裸の嵐がいる。 そう思うと、自然と頬が熱くなる。 「一緒に入ろ」 「は?」 「早く!オレのぼせちゃうんすけど」 いや、待て。 のぼせる前に出てくればいいだけじゃない。 「ヤダ」 「いいから、早く!」 そう言いながら、彼は腰にタオルを巻いて、曇りガラスの扉を開いた。 途端に、中から蒸気が私を襲う。 クラクラになりそうな、なまぬるい湿気を含んだ空気。 そして、ほとんど全裸に近い男前。
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