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「ちょ、待って」
私の言葉も聞かずに、嵐は服に手を伸ばす。
慣れてるのか、簡単に下着姿になってしまった。
抵抗を忘れてしまったのだろうか?
体が動かない。
どこかで、期待している自分がいたから……。
「…いいの?抵抗しないとマジ脱がしちゃうよ」
ニコニコと機嫌よさそうに含み笑いをしながら、私の姿を眺めている男が一人。
そして、戸惑って固まってしまった女が向かい合っている。
いいのかな?
でも、きっと連れてきた時点で、こうなることを望んでいたんだと思う。
「……ごめん、一人で入りたいから、ベッドで待ってて?」
覚悟は、決めた。
どうせ、最初からこうなる予定だったんだ。
酔った私は本能で彼を欲しいと思った。
だから、拉致したわけで、今さらブリッコしても仕方がない。
ヤル事さえやれば、彼も大人しく帰ってくれる。
別に減るもんじゃないし、私も気持ちよくなれるし?
いいじゃん。
テキトーな言い訳を頭に並べながら、これから起こる行為を正当化して、私はシャワーを浴びた。
過去にだって、こんな軽い気持ちで肌を重ねたことがある。
今日だって、別に特別なわけじゃない。
バスタオルを巻いて、ベッドへと向かう。
もう、嵐はベッドの中にいて、私に気づくと妖しい微笑みを見せた。
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