6人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
『ピッ ピッ ピッ』
リズミカルに鳴り響く機械音。
今日は休日朝方。相手は部屋に居る。
後5分…4分…3分…
私の中でカウントダウンをする。
この日の為に用意したビスチェ。
…恥ずかしい、でも引けない。
『…よし、この時間なら…』
そっと私はお兄ちゃんの部屋の扉開く。
お兄ちゃん頭から布団を被っていて、布団が膨らんでるし、この時間なら寝てる筈。
『お兄ちゃん…』
愛おしげに呟いてみる。…我ながら甘い声だったかな。
そっと部屋に忍び込んで扉を閉めると、頭の中で危険信号が鳴り響く。
ーイケナイ事なのかもしれない。
そんな思考がよぎる。
でもイケナイってわかるからこそ燃えるんじゃない。
私はゆっくり忍び足でお兄ちゃんの布団へと近づく。
床の軋みさえ私の高鳴りになるの。
呼吸が荒く響く。私はお兄ちゃんのベッドの端に手をついてゆっくり、ゆっくり布団を剥いでみた。
…お兄ちゃんが、居ない。
そこに居たのはお兄ちゃんお気に入りの抱き枕。
思わず引き裂きたくなった衝動を抑えていると背後から声。
『み、美音…?』
こんな甘い声を聞ける私はきっと特別な存在なんだと思いました。
ヴェルタース(笑)
最初のコメントを投稿しよう!