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「――――それで言ってやったわ。『貴女達の様な低脳な輩に構ってる暇なんてないわ。顔を洗って出直してきてくれない?』ってね」
放課後、志荻ちゃんと一緒に家に向かう途中に志荻ちゃんは中学時代の話をしてくれました。
私は外部生でしたから知りませんでしたが、私が通う《叡晃学院(エイコウガクイン)》は小・中・高校、大学と一貫している学院です。小・中と公立に通っていた私と違い、志荻ちゃんは小学校から《叡晃学院》に通っているいわば『お嬢様』。
礼儀もちゃんと踏まえ、頭も良くて運動も出来る。
《叡晃学院》史上初の天才児と言われていたようです。
そのせいか友達が余り居なく、中学時代はイジメにあっていたらしいですが。
「そう言ったら彼女『ふ、ふざけんじゃないわよ!アンタのその態度がムカつくの!』とか言ってきてね…『はっ、それはご苦労様。でもそれってただの八つ当たりでしょ?貴女がこの学院でやってる事は人を陥れて、優越に浸る事。それをぶち壊されたんだものね?そもそもそれがばれたら退学は確実。今までは上手い事ばれなかったみたいだけど…ワタシに手を出した以上どうかしらね?』そう言ったら彼女顔真っ青にして逃げて行ったわ」
…志荻ちゃん、全然平気だったみたいです。
志荻ちゃん最強伝説浮上。
「流石志荻ちゃん…」
「ありがとう」
にゃはは、と笑う志荻ちゃんは楽しそうでした。
「…で、これは?」
出て来る直前。
遅刻しそうだった私の家はグチャグチャ。
寝間着が落ちていて、洗い物はそのまんま。
極め付きはパソコンの周りにばらまかれている資料や書籍の数々。
「…掃除、するよ?」
「………はい」
そんな訳で、家に帰って最初にした事は家の片付けでした。
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