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「双簾(ソウレン)の三!!『丗(セイ)』」
巫女の格好をした少女がそう叫ぶ様に言う。
彼女が叫ぶ先には得体の知れない“何か”がいた。
通常ではありえない光景の今、毎日の様に平然と(いや、格好からして非日常ではあるが)過ごしているこの少女の名は赤城柚木(アカギユズキ)。
『紅蓮の武勲』と称される、赤城家の長女であり(女姉妹が居ないとゆう意味で)瀬能家の分家『瀬能家14獅族』の退魔士である。
退魔士の仕事はただ一つ妖怪や霊と呼ばれる霊体を消滅させるか『昇天』と呼ばれる術でこの世とは違う世界に還すのである。
「これでどうよ!!」
部屋の隅には普通では有り得もしない巨大な蜘蛛が張り付いていた。お腹には人面があり異様に気持ち悪い。
しかし、今その蜘蛛は柚木の先程の術で四角い結界の中に閉じ込められている。
「上出来ね!ほらね、凛がいなくても私一人で十分!!」
手をパンパンと掃いながら蜘蛛に近づこうとしたその瞬間、蜘蛛の人面の部分の目が開き、『念導力』によりその体を吹き飛ばされる。
「きゃ!!」
体は宙に浮き予期もしない攻撃に無抵抗に吹き飛ばされる柚木に一人の少年が駆け寄った。
「ナイスキャッチ!大丈夫か?柚木?」
柚木を抱えるようにして後ろから声をかけてくるのは、「元」瀬能家の「元」当主筆頭候補である、瀬能凛(セノウリン)であった。
「柚木?大丈夫か?」
彼らの前には直ぐさま割って入ってきた同じ巫女姿の『流星流』の剣士、澄乃閖(スミノユリ)であった。
彼女は退魔士とは違い退魔剣士であり、彼女の手には自分の背丈より長いであろう刀を持っていた。
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