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―2年前の春頃
僕は、休日に深夜まで
アニメのDVDを観ていた。
ジャンルでいうと
萌え系恋愛アニメだ。
部屋の灯りも点けず
時折、不気味な笑い声をあげながら
テレビに噛り付くように観る僕は
端から見れば
『キモヲタ』だろう。
…いや、
端から見なくとも
僕はヲタクだな。
深夜1時
DVDを観終えた僕は
テレビのチャンネルを回した。
テレビ画面に映し出されたのは
アニメのオープニング映像。
そういえば、
今日から新しいアニメ始まるんだっけ?
とりあえずチェックしておくか。
そのままアニメを観てみることにした。
オープニング後、
ある女の子が映し出された。
白い肌
長くてきれいな脚
ブラウンの大きな瞳
艶やかな唇
僕の理想が全て詰まったような女の子。
僕はこの瞬間(とき)君に恋をした。
桜の花びらの舞い踊る中、
彼女は期待と不安や緊張の入り混じった、
説明しがたい面持ちで
校門の前に立っていた。
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