出逢い

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…と、 言いたいけれど 『高校受験』 という現実は僕を逃がしてはくれなかった。 僕は中学時代、ほとんど勉強をしなかった。 そんなもの必要ないと思っていた。 ちなみに、その考えは現在進行中だ。 その結果、 1・2年生のときの五段階評価の成績表は 棒の羅列。 つまり、1だらけだった。 最悪の成績だったのである。 春休み中、 僕は母と共に学校に呼び出された。 わざわざ仕事を休んでまで 学校に行かなければいけないことに対する 苛立ちが隠しきれずにいる母と共に 学校へ向かった。 担任は 「お子さんの成績では、 高校生に進学できない可能性が高いです。」 確かにそうだろう。 だけど僕には勉強する気なんて全くない。 担任は続ける、 「本人に進学したいという思いがあるならば 今から受験勉強を始めないといけません。」 あいにく、そんな思いも持ち合わせていない。 「もちろん、 その場合は全力でサポートします。」 と話した。
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