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――――真夜中――――
仕事の疲れから眠そうな慎吾をゲストルームに放り込んだ後、私はシャワーを浴びて再びグラスを手に取った。
一人になると、嫌でも思い出す聖の言葉。
途切れることなく頭をめぐる。
そして、パーティー会場で倒れる前に見た聖の表情………
混乱と非難の混じった顔………
慎吾といるときには湧かなかった感情が心の奥底から押し寄せてくる。
悲しい…さみしい…悔しい…辛い…
その感情が涙となって溢れ出る。
前に聖に別れを告げられた時もそうだった。
いつも一人で泣いて、泣き疲れて眠る……
今回は聖に好きな人ができたわけでもない。
私自身が信頼してもらえなかった。
だから相手を怨むこともできない……
私一体今まで何をしていたんだろう。
この程度の信頼関係で結婚なんて…
まさか私たちの関係がこんなにも脆いものだったなんて…
考えもしなかったよ………
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