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「んじゃ、乾杯~」
「乾杯。そう言えば、こうやって二人で飲むのなんか久しぶりだよね~」
「確かに、そうだね。そう言えば、何日か前からなんか浬が仕事中ニヤニヤしてんだけど、なんでか知らない?」
「あ~うちら婚約したんだよね…両親も認めてくれたし」
そう言って、由紀の顔が緩む。なんだかすごく幸せそうだ。
「マジで?おめでとう!浬もそうならそうと、言ってくれたらいいのに…」
「最近、玲奈の周りでいろんな事あって、なかなか言い出せないって言ってたよ…」
「あ~まじで。なんか気ぃ遣わせちゃったな…」
そういえば、最近女がらみでバタバタしてたし、私も仕事と、正体不明の女ことで頭がいっぱいだったもんな…
「とりあえず、浬は、由紀の会社に行くんだろ?」
「うん。うちの父親はなるべく早く、うちの会社で仕事を覚えさせたいみたいだけど、今回の問題が片付かないと、難しいねって浬と話してるの」
「何言ってんだよ、由紀。そんなもん私にまかせとけよ。浬の後の秘書はもうだいたい決まってんだ。浬が何と言おうと、無理やりにでも須藤に行かせるから心配すんな」
「え?でも…また誰かに狙われてるんじゃないの?」
「狙われてるとか、はっきりしてるわけじゃないし、私は自分の身は自分で守れるよ」
そう言って『私は大丈夫』と言う意味を込めて由紀に笑顔を向ける。
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