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「でも…」
「私はさ、昔からよくしてくれた兄貴みたいな浬と、出会い方は最悪だったけど、今では大事な友達の由紀には幸せになってほしいんだ。心配しなくても、次の秘書も浬に負けないくらいに有能だよ」
「玲奈…ありがとう…」
そう言って由紀は泣き出してしまった。
「泣くなよ~ほら、お祝いしようぜ」
そう言って、由紀のグラスに酒を注いで、再び乾杯した。
由紀と浬の婚約を祝っていると、思い出したように由紀が口を開いた。
「あ、そうだ。今日は玲奈の話し聞いてやれって言われてたんだっけ。なんか毎日のように女から因縁つけられてんだって?」
「あぁ、そうなんだよね~初めは人違いかと思ったんだけど、そうじゃないみたいでさ…で、毎回違う女がくるし…私は誰かの彼氏に手ぇだした覚えないし…」
「聖が浮気してる可能性は?」
「それはないと思う…」
「って言うより、そう思いたいって顔ね…」
由紀が私の顔を見ながらため息をついた。
私、一体どんな顔してたんだろう?
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