Vol.1

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その日の夜、私は仕事の後聖のマンションにいた。 今日は聖が仕事が早く終わったので、夕食を作って待っているから俺のマンションに来いと連絡があったのだ。 聖にもらった合鍵で玄関を開けると、おいしそうな匂いが鼻をくすぐる。 「玲奈、お帰り」 「ただいま…」 「どうした?なんか元気ないな?」 私を見てすぐに、聖は私の様子がいつもと違っている事に気が付いて問いかけてきた。 「ねぇ、聖…彼女いる?」 「はぁ?俺の勘違いじゃなきゃ俺の彼女は玲奈のはずだが?」 「だよね~」 答えは解っていたのに、なんとなく聞いてしまった。 なんとなく聞いただけで、別に疑っていた訳じゃない。 でも、あの女の話しを聖に聞いてほしかった。
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