Vol.4

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聖『もしもし……』 数回の呼び出し音の後に聖の声が聞こえる。なんだか少し疲れた声だ。 「あの、今日はごめんね…せっかくの婚約発表台無しになっちゃって…」 聖『いや…よかったよ』 「え?どう言う意味?」 聖『そのままの意味だ。早まったことしなくてよかった。あの男たちも、もう少し早く乗り込んできてくれればよかったのに…おかげでいらん恥をかいた。』 一体、聖は何を言ってるんだ?婚約発表が台無しになってよかったって…どういう事だよ… 聖の言っている言葉の意味が理解できなくて、私は何も言えずにいた。 聖『玲奈…俺と別れてくれ』 「え?何?なんで?」 聖『なんで…だと?俺に言わせる気か?ふざけるなよ。あんなに大勢の前で俺に恥かかせただけじゃ足りないか?俺はお前の事を全然分かってなかったみたいだな…まさか他にあんなに男がいるとはな…心底軽蔑するよ。正式な婚約の解消には代理人に任せるから』 「ちょっと待ってよ。いきなり何言ってるの?今日の事私が仕組んだとでも言いたいわけ?」 聖『ふん…お前ならそのくらいするかもな。もう、顔も見たくないし、電話されるのも迷惑だ。じゃぁな』 そう言って、電話は一方的に切られてしまった。 すぐにかけなおしたが、流れてくるのは着信拒否されたことを告げる無機質な声だけ… その声が、先ほど聖に言われたことが事実なのだと告げていた………
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