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「みっちゃんまだ何にも言ってないの?」 「今起きたばかりなのよ」 「ほうほう、じゃあ知らないのも同然だ」 顔を見合わせたそいつらは、お互い俺を取り囲むようにして自分達だけで納得したようにうんうんと頷いた。 そして現状を飲み込めてない俺は、二人を交互に見るしかなかぅた。 「いやぁ~何を隠そう私たちが起きたのも2時間くらい前なんだけどね、とりあえず分かった事を言うと…」 「此処にいる私達、全員記憶がないのよ」 「は?何言って」 「じゃあアナタ、自分の名前覚えている?」 2人が言う言葉が上手く理解できなかった。 記憶がない?そんなはずが、だって、え? 「お…俺は…あれ、嘘だろ、俺」 誰だ? 「ね?分かんないでしょ?」 得意気に言うナイティーに、言い返す気にもなれなかった。 自分の名前が思い出せない それどころか、自分が誰なのかも分からない この身体も、この声も俺のものなのに、分かるのに、記憶だけが無かった 「どういう事だよ!?」 「それが分かったら皆こんなに取り乱さないわよ」 「うんうん」 「なんでそんなにお前らは落ちついているんだ!?」 「もともとこういう性格だったのかしら、覚えてないけど」 暢気に話す2人はほって置いて、俺は自分の座っていた机の中や、制服のポケットを漁り出した。 財布なら自分を証明するものが入っているだろうし、教科書でも何でも自分の名前ぐらい書いてあるものが欲しかった。 だがそんなもの、あるはずがなく、代わりに見つけたものが、自分の左手の甲に刺青でも彫られたような数字。 『7』の文字だけだった。
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