恋わずらい

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『桜。聞いてる?』 「……………うん。」 涙が溢れていた。 気付けば桃ちゃんも彼も 私とヤツの動向を見守っている。 涙を拭う目の前に またメモが出てきた。 [俺に言ってるみたいに言え! 俺の顔見ながらなら 言えるんじゃないか?] メモからヤツに視線を移した。 ヤツは私と目が合うと頷き いつも見せる不敵な笑顔をした。 苛立ちはマックスに達した。 私はヤツのその表情が 大嫌いなんだ。 イライラするんだ!
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