新たな魔法

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「まだ生きてたのかよ。 ジェイド」 「勝手に殺さないで頂きたい」 ジェイドはコロッセオの中心に向かいながら答える。 「それで? これから殺しあうのに何でお前が出て来る? デュークの命令か?」 ユウは疑問に思った。 ジェイドは魔族の中でも上位の者、 そんな奴が万が一にも殺されるかも知れない位置に立つ事が。 「デューク様の命令じゃありませんよ。 今私は無理矢理この場に立っているのですよ」 「……………どういう事だ」 「簡単な事です。 貴方が本来戦うべきだった魔族は、 今は扉の向こうで眠ってしまっているという事です」 「成る程な。 そこまで俺に恨みがあるか」 ユウは理解した。 今目の前にいるのは主人を奪われた犬同様、 復讐に満ちたものだと。 自分と同じだと。 「その通りですよ。 貴方にダネス様が殺されてから、 この復讐の炎が消えた事など一瞬も無い。 なので……………、 死んでもらいますよ!!」 ダン!! ジェイドは地面を蹴り、 勢い良くユウに突っ込んでいく。 その両手にはしっかりと魔武器である、 先端が鋭利に尖った篭手が巻かれていた。
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