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太陽が照り付ける昼前、
ドライツ本部の廊下を歩く一つの影がある。
その影の後ろ姿はどこか憂鬱でその周りの空気まで淀んでいる。
「はぁ~~~、
酷い目にあったな、
それよりも明日大丈夫かな~~」
憂鬱な後ろ姿で廊下を歩くユウはため息を漏らす。
明日というのは少し時を遡り。
数十分前。
ユウはお仕置きから解放され足を伸ばして休んでいる時であった。
「それじゃあユウ、
早速何だけど」
ロラは座っているユウに近づいて目線を合わせるため座りながら言う。
「明日デートしてくれない?」
「…………へっ?」
ユウはロラの発言に耳を疑った。
「だから明日デートに付き合ってくれない?」
再び同じ質問をしてきたのでユウは確信した。
(いーーーやーーーだーーー!!)
ユウは心の中で叫ぶ。
(絶対嫌だ、、、だってこんな怖い人と一日中いっしょにいたら絶対なんかされる!!)
ユウが嫌そうな顔をしてロラを見るとロラは満面の笑みで答える。
「何でも言うこと聞くんでしょ?」
「た、確かにそう言ったけどそれの他になんかないの?」
「ない」
きっぱりと言い放つロラは少々清々しいくらいだがユウにとってそれ程めんどくさいものはなかった。
「できれば他のがいいな~、
なんて」
ユウは健気な言葉で言ってみる。
「…………そう、
ユウはそんなにお仕置きがいいの?
私は別に構わないけど」
そういいながら両手に魔力を溜めはじめた。
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