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「ドライツは基本入隊平均の年齢は25歳だよ。
最年少とはいえドライツは他とは比べものにならない位に危険な任務が待っているんだ。
きみには拒否権があったはずなのに何故断らなかった?」
(ああ、そういう事か)
ユウは質問の意味を心の中で納得し、
そして自分がドライツに入った訳をクラレンスに話す。
「僕は……僕は英雄になりたいんです!!」
「………はっ?」
いきなり大声で話だすユウにクラレンスは言っている意味まで理解していない。
「僕はいつか魔王を倒してこの世界を皆が笑って幸せに暮らせるような、
そんな世界にしたいんです!!」
その眼は決意の炎で燃えていた。
「…………ふっふふ」
クラレンスは黙って聞いていたが少年が英雄を目指し、魔王を倒して世界を幸せにすると断言する姿が可笑しかった。
「なっ!笑う事ないじゃないですか!
僕は真剣なんですよ!」
「いや~、悪い悪い。
別に馬鹿にしたつもりじゃないんだ。
許してくれ。
良い夢じゃないか。
そんな夢があるなら仕方がないな……ユウ・リバイト!
今ここに、クラレンス・ハーツがドライツへの入隊を許可する!
以後、精進するように」
「やったぁ~!!」
ユウは嬉しいのかそこら中を走り回る。
そんなユウを見ながら、
(まだまだ子供だな~)
と思うクラレンスだった。
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