序章

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朝 ジリリリッ!! もう朝か…、もう少し寝させてくれよ。 目覚まし時計の音を止め、布団からはい出て目を擦るけど、眠いね、いやしかし。 「顔、洗わないと…」 呟いて自分の部屋をノソッと出て、洗面所へ行ったはいいけど… 先客か…くそっ… 「あ~、昨日は遅かったねぇ。手こずったん?」 この我が家の唯一の洗面所を独占し、化粧してやがる我が姉、霧島 歩(キリシマ アユム)。 俺と同じ母さん遺伝の赤っぽい黒の長い髪だ。 正直俺が言うのもなんだけどカワイイ。しゃあないだろ? モデルやってるんだから。彼氏は居ると言いたくなるんだが、居ないんだよなぁ、これが。しかも訳の解らん力をで怪我とかを治せる。けど俺には出来ない。どういうこっちゃ。更に運動神経抜群と来たもんだ。正に完全無欠とはこのことだ。 まぁそんなことどうでもいいんだけど。 「逃げに逃げられて帰って来たのが四時、マジで眠い。だからそこちょっとどいて」 うちの家族は皆知ってる。俺が掃除屋をやってることを。まぁ父さんがやらせてるんだけどな。いや、俺が父さんの後を継いだ。いや継がされたからだけど。
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