序章

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「えー」 えーじゃない。化けたきゃ自分の部屋で化けろよ。まぁどいてくれたから良いけど。 鏡に映る俺の顔、赤っぽい黒色の中途な長さの髪に友達からは「モノ取っても大丈夫」と言われ、姉からは「アンタ女でもいけるって」といわれるほど女っぽい顔らしい。 そして、やはりよく女に間違えられる。 まぁいいや。とりあえず顔を洗い、用を済ませ、食卓へ向かう。 「おぉ、おはよう統弥(トウヤ)。昨日、いや今日かお疲れ。やっぱり俺がやってた頃よりお前は手際がいい」 「それはどうも」 コクりと頷いて返す。 今更だけど俺の名前は霧島 統弥(キリシマ トウヤ)、十六歳、高校二年生だ。 そして椅子に腰掛けながら新聞を読み、コーヒーを飲む貧弱そうな眼鏡をかけた男が俺の父さん、霧島 賢(キリシマ ケン)。見た感じヒョロいけど人は見かけで判断しちゃいけないな。あぁ見えて未だに軽い蹴りで鉄板ぶち破るわ、五十メートルを余裕で一秒切るとかいう化け物だ。 流石に‘無限流’五代目師範。 人に教えてる訳じゃないけど。 俺がそんな化け物じみた事が出来るって? 出来たりするんだよな。これが。まぁこの右手に付けた、いや、付けられた金色のブレスレットのせいで夜しか力がでない…。父さんのバカタレ。何が「力の使い方を間違えない用に」だ!! おかげで俺は小学生並の力しかでないじゃないか!!
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