王家再生

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「東キョウスケです。宜しくお願いします」  シンプル、目立たず。これでいい。  高校入学と同時に家を出て──むしろ出されて──高校の寮に入った。  俺の家系は、全員吸血鬼。もちろん、俺も。  古くは平安時代からある家で、当時は相当な勢力を誇っていた。  それが、近代化と共に激しく衰退。  原因は単純。日本にこれまでいなかった「ハンター」が海外からやって来たためだ。  そして、現在では絶滅危惧種レベルまで堕ちた。  別に国の天然記念物ってワケでもないから、支援なんて無い。  今だって、吸血行為がハンターに見つかれば即処刑だ。  吸血鬼が吸血しないとか、ただの人じゃん。  だから、寿命だってパンピーと同じ…いや、ハンターに狙われ続けるストレスで早死するか。  両親は家の復興を希望して俺に期待をかけている。  だけど、俺はそんなこと期待されてもマジ困る。  俺は、普通に生きたいんだ。  
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