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全寮制という閉鎖空間。吸血行為が露見されにくい。
ハンターの情報網はナメてはいけない。
入寮してまず確認したことは、隠しカメラなどの有無の確認だ。
警戒は、し過ぎるぐらいしても足りない。
でも、入寮から1週間。ようやくこの部屋の「安全」が確認できた。
そろそろ、動き出してもいいだろう。
万が一ハンターに襲われても、「盾」はいくらでもあった方がいい。
最初のターゲットは、もちろん貴也。
一緒にいる時間が一番長いなら、引き入れないわけにはいかない。
「貴也」
「何?」
机に向かって読書をする貴也は、返事だけしてこっちを見ない。
ナイフを持った、俺を見ない。
「動くな」
異常な雰囲気を感じたのか、貴也は本を置いて立ち上がろうとした。
もちろん、そんな行動は許さない。
「動くな、大声も出すな」
ナイフを確認したのか、貴也は恐怖で顔を引きつらせた。
「何の…」
「ちょっと、協力してもらいたくてね」
「きょ、協力?」
「とりあえず、大声は出すな」
有無を言わせず、俺は貴也の首筋に噛みついた。
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