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「…と言うわけだ、分かったな」
「皆さん、宜しくお願いします」
シーフの隣にいるマリアが頭を下げた。壱達は黙って聞いている。いや、呆然としているといった方が、正しいかもしれない。無理もない、一夜明けたら、家に帰ったはずのマリアが目の前にいるのである。しかも、今後は自分たちと共に行動すると言う。
「まぁ…本人の意志を尊重しましょう」
壱が言った。それに同調するように、双子が頷く。同性が増えるのを喜んでいるらしい。
「俺は納得できません」
七が言った。全員が七の方を向く。
「昨日まで贅沢に過ごしてきた奴が、ここにいつまでも居られるわけがない」
「七、少し言いすぎだぞ」
参が制止に入る。
「参は黙ってろ」
「何だと…」
参が七につかみかかろうとした。
「やめろ」
シーフが止めた。シーフは二人を見て、ため息をついた。
「七の言い分は分かった」
シーフがマリアの方を向く。
「そういう訳だ。悪いがアンタの力、試させてもらう」
「何をやるのですか?」
「簡単な力試しだ」
シーフはそう言うと外に歩き出した。
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